午前、お昼前。
私とダァさんは買い物をしに、外へ出ていた。
しばらくして、実家に設定していた呼び出し音が鳴った。
母を医大へ連れて行ってる、妹からの着信。
「どうしたー?」
もしもーし。
何度か呼び掛けたが、受話器の向こうからは咽び泣く妹が消え入るように、
『こっち来てくれる?』
そう言った。
すぐに、分かった。
ああ、”その時”が近づいている。
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今年2月半ば、母の腫瘍マーカーが下がらないと、ガンセンターで放射能を使ったMRI検査(Pet検査)をした。
結果は同月下旬に、それらしい所見はないという事で安心した。
3月中旬。
吐き気と下痢が止まらず、胃と大腸のカメラ検査をした。
結果異常なし。
昨年、ダァさんと私の実家の菩提寺の住職様に、
『あまりこういう事言わないんだけど、お母さん長くないから、大事にしてあげて』
そう言われていたので、
覚悟。というか、受け止めないと……。
という気持ちは常に心掛けていた。
そして、
『肺に再発。手術は出来ないから、癌が進行しないようにする薬があるから、まずそれで様子診て、入院も考えないとね』
……妹の目は、真っ赤になっていた。もちろん母はどうしたらいいか分からず、涙目で主治医の話を聞いていた。
私は、その場のマイナス空気を前向きにする事に必死だった。
私まで、泣いてしまったら、
駄目だっっ!!
下唇の内側を噛み締めて、私だけは、明るく前向きにしていないと家族がボロボロになりそうで……っ。
でも、心が悲鳴をあげてる。
大声出して、泣きたい。
マザコンだからなぁ~、私。
それでも、明日はまた笑顔で母に会って、菩提寺へ行ってきます。
私の笑顔で、少しでも母が笑ってくれるなら、泣かないよ。
頑張るから……。
お母さんっっ……。